Tuesday, August 2, 2011

II.E.1.3月12日に炉心溶融の可能性に言及した保安院・中村審議官、記者会見から外される

保安院・中村審議官、3月12日に炉心溶融の可能性に言及ー>記者会見から外される

福島第1原発「炉心溶融が進んでいる可能性」 保安院  2011/3/12 15:30
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819595E3E0E2E39C8DE3E0E2E1E0E2E3E3958AE3E2E2E2
(last accessed 8/2/2011)

経済産業省の原子力安全・保安院は12日午後2時、東京電力の福島第一原発1号機で原子炉の心臓部が損なわれる「炉心溶融が進んでいる可能性がある」と発表した。発電所の周辺地域から、燃料の核分裂に伴うセシウムやヨウ素が検出されたという。燃料が溶けて漏れ出たと考えられる。炉心溶融が事実だとすれば、最悪の原子力事故が起きたことになる。炉心溶融の現象が日本で確認されたのは初めて。

記者会見する経済産業省原子力安全・保安院の中村幸一郎審議官(12日午後)
記者会見する経済産業省原子力安全・保安院の中村幸一郎審議官(12日午後)

保安院は同日午後3時半、圧力が高まって爆発による放射性物質の大量放出を防ぐため、格納容器内の減圧作業を実施した。圧力が「午後2時を境に急激に下がりはじめた」(保安院)という。
 周辺地域から検出された種類は、いずれも本来は金属容器で封じ込めている物質。炉心溶融で大量に放射性物質が出れば、被曝(ひばく)の被害が広がる恐れもある。
 保安院は今回の炉心溶融について「放射性物質の広がりを計算した結果、現時点では半径10キロを対象とする住民避難の範囲を変更する必要はないだろう」と話している。
 震災にあった1号機は、核燃料棒を冷やしていた水位が下がり、露出していたとの報告もあった。
 燃料を包む金属容器は高温に耐えるとされる。溶けたとなれば、燃料周辺が相当の高温にさらされたとみられる。金属容器ばかりか原発の圧力容器や格納容器を溶かせば、放射性物質が外に漏れ出す。
 原発の運転中は、炉心で核燃料が核分裂を起こしている。発熱反応が連鎖し、冷却水を蒸気に変えてタービンを回し、発電している。
 冷却水があるうちは熱が一定に保たれるが、本来の水位が下がると燃料が生む熱の行き場が無くなる。最悪の事態では、原子炉の心臓部である炉心溶融が起きる。
 この事態を受け、保安院は自衛隊に給水支援を要請した。大量の水を使って熱を冷ますためだ。
 過去の大きな原子力災害も、炉心溶融が原因のものがあった。1979年には、米ペンシルベニア州のスリーマイルアイランド原発にトラブルが発生。緊急炉心冷却装置が働かず、高温になった燃料が炉心を溶かす大事故につながった。


枝野官房長官の会見全文〈16日午前〉3/4ページ)20115161413

http://www.asahi.com/politics/update/0516/TKY201105160216_02.html
(last accessed 8/2/2011)
 
――2日時点で保安院の中村審議官が炉心溶融の可能性を言っていて、結果的に事実を言っていたのに翌日、会見の担当を外れた。政府は事実隠蔽(いんぺい)する意図があったのではの見方もあるが。
 「保安院の広報担当をされていた方でしょうかね。そこまで別に官邸で直接把握をしていない。どういう理由でどういう方が会見を担当しているのかというこ とについては、直接承知していない。それから、メルトダウンの可能性のあるということについては、メルトダウンという言葉がいろんな意味でとらえられる、 特に印象の面でとらえられる。つまり、いわゆるチャイナシンドロームのような状況から、あるいは言葉の普通の直訳的な意味からすれば燃料のごく一部が溶け ている場合といろんなパターンがあるということの中で、燃料の溶けている可能性ということについては、当初から政府としても可能性を踏まえた中でそれをい かに小さく抑えるか、阻止するか、起こっているとすればそれをさらに被害に結びつかないようにするかということで対応してきた」

 

枝野官房長官の会見全文〈20日午後〉20115202212

http://www.asahi.com/politics/update/0520/TKY201105200532.html
(last accessed 8/2/2011)
 
――福島第一原発1~3号機がメルトダウンしていたことが分かったが、地震直後、どの程度情報を把握していたのか。原子力安全・保安院の中村審議官が「炉心は溶けている可能性ある」と発言し、それ以降表に出なくなったが、この更迭に政権中枢は関与したのか。
 「まずその中村さんについては、少なくとも私や副長官や総理などは一切、どなたが中村さんなのか、顔と名前が一致しないし、全く、どの時点までどういう ことをされていて、今どうされているのか、承知していない。それから、政府として把握していた情報についてはその都度発表もしたし、その都度聞かれた質問 に対し、その時点で知りうることはすべて話してきた。溶融している可能性があるということは、私自身この場所でも早い段階で申し上げたことがある。ただ、 残念ながら炉内部の状況を外から把握できる状況ではなく、その時点で報告されていた様々な状況の中から今回、推測された状況ほどは溶けていない可能性が高 いという報告を受けていた。ただ、周辺住民の避難、退避にあたっては炉内部の状況がどうなっているかということ以上に、周辺における放射線量が健康に被害 を与えるものであり、これに基づいて炉内部の状況について推測しかできない状況なので、考え得る最悪の状況を想定して避難指示を出してきた」

NHKニュース 原子力安全・保安院の会見http://www.youtube.com/watch?v=k-Z8lI699ws

 (last accessed 8/2/2011)
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2012年3月8日投稿

(東京新聞)事故翌日「スリーマイル超える」 震災当初の保安院広報 中村幸一郎審議官(2012年2月22日 朝刊) http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012022202000041.html (2012年3月8日閲覧)(太字は投稿者)

事故直後の様子などを話す原子力安全・保安院の中村幸一郎審議官=由木直子撮影
写真

 福島第一原発の事故当初、記者会見で「炉心溶融の可能性がある」と説明した後、経済産業省原子力安全・保安院の広報担当を交代した中村幸一郎審議 官(52)が21日、本紙のインタビューに応じ、その経緯などを語った。事故は深刻で、発生翌日には、米スリーマイル島原発事故を超えると思ったと当時の 認識を語る一方、交代は発言とは無関係だと強調した。

 交代の経緯は、政府事故調査・検証委員会の中間報告でも検証されているが、報道機関に詳細を語るのは初めてという。

 中村氏は、1号機の原子炉を覆う格納容器の圧力が上昇した昨年三月十二日未明には「難しい状況に入ってきているなと思った」と、当時の認識を説明。

 消防車で注水を始めたのに、原子炉の水位が低下している状況をとらえ「(過熱した)核燃料の溶融が始まっている可能性がある」と考えた。大学で学んだ原子力工学の知識も判断を下支えした。
 同日午前の会見で、「(核燃料を覆う)被覆管が一部溶け始めていることも考えられる」と、初めて溶融の可能性に言及した。

 午後の会見前には、「コア(幹部)の人たちはそういう(溶融の可能性があるとの)認識を持っていた」と、寺坂信昭院長(当時)らと認識を共有して いたと説明。寺坂氏の了承を得て、会見で「炉心溶融の可能性がある。ほぼ進んでいるのではないか」と踏み込んだ経緯を説明した

 その後、首相官邸側が保安院の説明に懸念を示しているとの情報を得た寺坂氏から、ほかの審議官を介して「発言に注意するように」と指示された

 中村氏は同日夕の会見を最後に広報担当を交代した。その後、保安院の説明は「炉心が破損」など、「溶融」を使わなくなった

 このため、溶融発言によって交代させられたと受け取られてきたが、中村氏は「一、二時間おきに計十数回、二十五、六時間寝ずに会見をし、長い仕事になると思ったので休もうと考えた」と、自ら願い出ての交代だったと強調した。
(転載終わり)

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